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保護者の皆様へ

2020年4月から小学校でのプログラミング教育が開始されました。現時点では、5年生の算数(正多角形)と、6年生の理科(電気)で最低限実施されることとなっています。また、5年生の算数でプログラミング体験をする前に、基礎的なプログラミングの方法の学習も行われています。

小学校におけるプログラミング教育では、「プログラミング的思考の育成」と「プログラミングの良さを知ること」が目的となっています。「プログラミング的思考」とは論理的思考の一部ですが、プログラミングを通して学ぶことがもっとも効率的な思考力のことです。論理的な思考力をつける学習は、子供たちの発達段階から本格的に学び始めるのは4年生前後からとなっています。
しかし、小学校低学年の段階から理解可能な範囲から学習は行われています。また最終的には、プログラミング言語を用いてのプログラミングをすることになりますが、プログラミング的思考力がついていないと表面的にしか理解できず、何よりも子供たちがプログラミングすることの面白さや楽しさを感じられないのではなかということを心配しています。

そこで、本ページではプログラミング言語を使用してプログラミングの学習を行う前に、低学年からでも楽しみながら(遊びながら)プログラミング的思考を身に付けるための学習を設計しています。 プログラミング的思考の基礎となる考え方は、「逐次処理(順序)」、「条件分岐処理(分岐)」、「反復処理(繰り返し)」などが挙げられます。
実際の小学校の授業ではどの様になっているかと申しますと、1年生の国語で「文を正しい順にならべる」という学習単元があります。
これがまさに「順序」の内容を学んでいるのです。ただし、この段階では国語としての学習目標が優先されますから、プログラミングの「順序」とは位置付けた学びは行いません。そこで、ある段階で、これまでに学習した教科の内容や、普段の生活や社会で経験したことと重ね合わせて、プログラミング体験をすることが、子供たちの理解のためには重要なことです。

また、「条件分岐処理」の「条件」とは日本語の「条件」という言葉の持つ意味とは異なり、「YES、NOで答えることができる質問」という意味で、この質問を見出すことができるようになることが、プログラミング的思考のなかでも重要な思考力となります。
この条件分岐の概念は、小学校1年生算数の「かたち」で形の特徴で分類することや、小学校2年生算数の「三角形・四角形」で三角形や四角形の定義から図形を仕分けて行くときに学習をしています。

私共の研究室では、文部科学省などからの補助金により小学校でのプログラミング教育のカリキュラム及び教材の開発を行っており、いくつかの小学校で試験的に実施されている内容の一部を本ページで実施しています。
また、現実の世界での活動を、コンピュータでシミュレートできることを理解してもらうため、低学年でも理解できるように手を動かして体験できる活動を取り入れ、プログラミングへの理解を促す授業となるように設計しました。

福岡工業大学短期大学部情報メディア学科教授
情報オリンピック日本委員会ジュニア部会委員
石塚 丈晴 

福岡工業大学短期大学部情報メディア学科准教授
弘中 大介